
https://www.kyoiku-shuppan.co.jp/docs/doutoku/index.htmlより引用
小学校では道徳が教科になりました。
教科になったことの一番大きな違いは教科書を使用することです。
道徳の教科書はどんな内容なのか?どんな特徴があるのか?
各社の教科書を比較してみましょう。
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「道徳 きみがいちばんひかるとき」(光村図書)
1時間の授業が分かりやすくなっています。
導入では、キャラクターの会話を通して主体的に学習に取り組めるよう工夫しています。
さらに、教員用の手引きでは、「考えよう」と「つなげよう」の項目がおかれ、子どもたちの考えが深まる発問が用意されています。
学習のまとまりの最後には毎時間の振り返りを記入できるようになっています。
こうして、毎時間記録したことで自分の成長を後から確認できるようになっています。
「小学道徳 生きる力」(日本文教出版)
教科書名には、人間尊重の精神を徹底し、たくましく生きる子どもを育むという理念がこめられています。
教科書は1時間の流れが分かりやすく作られています。
人間尊重につながるものとして、いじめをなくすよう工夫されています。
いじめに関する知的理解はもとより、役割演技に取り組む体験的な学習や、多面的に考えるコラムなど多様な内容が盛り込まれています。
また、別冊の「道徳ノート」がついていて、1年間の成長を記録できます。
「小学道徳 はばたこう明日へ」(教育出版)
いじめの根底には、人とのつながりが希薄であることがあると考え、他者とのつながる資質や能力を育てられるよう工夫しています。
「考え、議論する道徳」への質的転換を図るために教材は厳選されています。
いじめに関しては、発達段階に応じた教材をそろえています。
ほかにも礼儀とマナーに関する内容や、実体験から価値を理解し行動化するモラルスキルトレーニングも取り入れています。
「小学道徳 ゆたかな心」光文書院
導入・展開・終末・発展がストーリーになった構成でスムーズな授業が行えるように作られています。
教科書の初めにオリエンテーションページがあり、どのように学習を進めるかを学べるようになっています。
さらに、学年40点の豊富な教材があり、子どもの実態に合わせて選択できます。
巻末には「学びの足あと」という記録欄があり、一覧になっているので後で振り返ることができます。
「新しい道徳」(東京書籍)
「いじめのない世界へ」といういじめ問題に特化した教材を全学年に配置しています。
これは複数時間でいじめについて考えるものになっています。
3年生以上では、問題解決的な学習に対応した教材が配置されています。
オリエンテーションページや振り返りページで学習に取り組みやすくしています。
「みんなの道徳」(学研教育みらい)
「考え、議論する道徳」に向けて、自ら課題を見つける力の育成に力が入れられています。
そのため、初めに本文があり、そこから課題を考える作りになっています。
また、「いのちの教育」を重視していて、いじめ防止につながる教材を多数そろえています。
巻頭では自分で見つめるページが、巻末には1年間の学びを振り返るページがあります。
1年間の変化をダイレクトに見ることができます。
「かがやけ みらい」(学校図書)
教材文を味わう「読みもの」と発問を軸に学習を進める「活動」の2分冊の教科書になっています。
「読みもの」は教材文のみで自由な授業が行えるようになっています。
「活動」は見開き構成で、発問や書き込み欄があります。
用意された発問で、道徳的価値観への焦点化を図るとともに、「考えよう」と「見つめよう」の2つの発問で流れが良くなります。
教材に関連する特設ページが設けられ、授業の導入や終末、復習など多様な場面で活用できます。
「小学生の道徳 道徳ノート」(廣済堂あかつき)
本冊と別冊ノートの分冊形式をとっています。
「みんなで考え、話し合う」本冊と、「自分を見つめ、考える」別冊ノートです。
別冊ノートのため記述欄も多彩で、授業前や後、導入時や終末時など柔軟に使用できます。
さらに道徳的価値を発達段階に応じた言葉で説明した解説があり、理解を助けます。
「善悪の判断、自律、自由と責任」「親切、思いやり」「生命の尊さ」を重点項目としています。
まとめ
多くの教科書では、「考え、議論する道徳」へと質的転換を目指す教科化に対応した工夫がされていることといじめに対応していることが共通していいます。
このことから、今までの道徳とは異なり、みんなで考えることが重要視される事が分かります。
また、いじめに対して本気で取り組むという強い意志も感じます。
そして、ノートが付属したり、記入欄が設けられたりしていることから、自分で考え、それを文字で書き表すことが大切です。
「考えること」と「書くこと」を身につけさせてあげたいですね。