「中高一貫校は塾なしで合格できるの?」と聞かれたら、私は「できる」と答えます。
でも、多くの方は「塾に行かせたほうが安心!」と答えるでしょうし、そんな私も入試対策のために塾に入れるのは賛成です。
私立受験は塾は必須であると言ってもおかしくないですし、また都立中高一貫校となると、私が住んでいるような地方の田舎とは事情が全く異なっていて、学校によって細かな対策があり、都立専用塾などもあり、また対策の取り方が違ってきます。
地方の公立中高一貫校と私立中高一貫校ではそもそも入試時の試験の内容が全く異なりますので、塾についても、都心なのか?地方なのか?によって個別に考えなくてはいけません。
公立中高一貫校受験においても、塾はとても力になってくれますし、励みにもなります。
我が家でも一年間行かせてとても助かりました。
しかし、実際に塾なしで合格している方のブログなども沢山見かけ、我が子の学校の友達でも、塾なしで合格している方がかなりいらっしゃいます。
塾に通わせるには、学費が高額であること・送り迎えが必要なことなど、その他も色々手間がかかりますので、「塾なしで合格できるなら、それも検討してみたい」と思うかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、
- 公立中高一貫校は塾なしでも合格できるのか?
- 公立中高一貫校の合格のための対策は?
- 受験対策で塾に通うならいつからがベスト?
などについて、調べたことなどを紹介していければと思います。
公立中高一貫校を受験しようと思ったら
公立中高一貫校を受験しようと考えた時、まずはなにからしますか?
- とりあえず塾?
- 経験者に話を聞きに行く?
- 直接学校に行ってみる?
- 勉強量を増やしてみる?
・・・色々なことが考えられますが、まずは受験対策としては何をするべきかを考えると思います。
中高一貫校の受験で、親ができることは何か、家でできることは何かを考えると、悩んでしまいます。
私も大層悩んで、今考えると結構的はずれなこともしていたのではないかと今になって振り返り、反省するところでもあります。
まずは、公立中高一貫校の受験対策について、特に親が出来ること、また家でできることを中心に紹介していきたいと思います。
親のサポートが不可欠な中学受験
中学受験には親のサポートが絶対といっていいほど不可欠です。
高校受験や大学受験と違い、自分で自分を律して勉強に向かうことは小学生にはかなり難しい・・・。
勉強をしている横で励まし、見守り、サポートする親の存在は、子供の励みとなり頑張る動力になります。
親の我々が出来るサポートとしては、
- スケジュール管理(長期、短期)
- 食事(健康管理)
- 学習の見守りや励まし
など沢山ありますが、一番大切にしてほしいことは、「子供とともに歩む」という覚悟です。
「塾に入れたから大丈夫」「塾のお友達に刺激されてじきに勉強するようになるだろう」というのではいけません。
まず、受験をするのは親ではなく子供の方ですから、親が先走りすぎないのはもちろんですが、
- 「早く勉強をやりなさい」
- 「こんなことができないの?」
- 「成績がさがっているじゃないの!」
などという声かけはやめましょう。
そして家では、日々の家事や育児もあり付きっ切りで勉強を見てやることはできませんから、「音読を聞きながら家事をする」「子供が分からなくて困っている様子だったら、手を止めて教える」など、できる限りの範囲で一緒に勉強に取り組んでみてください。
そこで一つ質問させていただきたいのですが、家庭学習の習慣は付いていますか?
中学受験においては、家庭学習の習慣が付いていることが基本です。
家庭学習の習慣づけのために低学年のうちから意識して学習を進めることは大切です。
一日に長い時間は必要ではありませんから、低学年のうちから宿題を含め、毎日30分程度学習する習慣がつくように親が声掛けし、見守っておくことが大切です。
高学年になってから「受験するから勉強しなさい!」では苦しいばかりか、基本的な学習内容が身についていないですから、受験自体に苦戦する可能性が高くなります。
家庭学習の習慣が身についていないと、
- 「宿題をとにかく早く終わらせることだけ考える、集中しない」
- 「文章を適当に読み飛ばし、理解しない」
- 「字が雑すぎる」
- 「答え合わせが適当で、解きなおしをしない」
など、中学受験に必要とされる、「しっかり考えて、自分の言葉で表現する」という力がつかないうちに受験を迎えることになります。
小学生のうちは、出来ることなら親の目の届く範囲で、ともに学習し、家庭学習の習慣を身につけるようにしていくことが大切です。
学ぶ姿勢は親が手本となる
親が手本になどと大げさに書きましたが、難しい事ではなく、親が物事に興味をもって、率先して楽しむ姿を子供に見せられていますか?ということです。
公立中高一貫校の入試は「適性試験」と言われ、考える力や文章で表現する力がとても大切と言われています。
公立中高一貫校の試験の場合、文章の中から条件を抜き出し、それを自分はどのように考えるか、この条件ではどのようなことが考えられるかなど、決まりきった答えがない場合も多く、より深く考え、自分の言葉で表現する能力が問われる問題が多く出されます。
このような力は、単に勉強量を増やすだけでは養えません。
幼いころから、子供が興味を示したり、持ったりしたことについて親も共に興味をもってかかわり、楽しみ、時には計画をたてるという経験を繰り返し行うことで、子供の経験の引き出しを増やすことができ、さらに興味が広がり、知識が増えていくのです。
それにはまずは親が率先して色々なものに興味をもってかかわり、楽しみ、計画を立てて実行する姿を子供に見せることが大切です。
子供は親が楽しそうにやっていることには興味を持ちますので、まずはやってみるという「引き出しを増やす経験」をすることができます。
そうして結果として、いろいろな角度から物事を考える力が身につくわけです。
そのような意味でも、親が楽しむ姿を見せることは、子供にとって良いお手本となります。
受験対策に手詰まりになったときは・・・
入試に出される問題への対策や、考える力を養うことは家でも十分にできることではありますが、手詰まりになったときには塾を考えて良いでしょう。
公立中高一貫校の入試問題の範囲は学校の教科書の範囲の中から出題され、それを超えることはありませんが、手法が特殊であったり、考え方が独特であったりするので、その対策を学ぶために塾を考えるのは大いにありです。
ただ、塾に入れておけばなんとなく安心、塾の友達に刺激されてそのうちに勉強をやるようになるという考えならばまだやめておきましょう。
受験を乗り越えるために、いろいろな人の考えに触れ、手を借りるのは大切なことですので、塾を考えるのは一つの方法として有効であると考えます。
常に「親にできることは何か?」を問い続ける
受験に実際に臨むのは親の我々ではなく子供なので、親のできることは多いようで案外少ないのかもしれませんが、せっかく受験すると決めたなら、悔いのないように取り組んでいってほしいです。
我が家の上の娘は公立中高一貫校に在学中ですが、幼いころからきちんと対策が取れていたかと思い返すと正直微妙です。
中学受験をすると言い出したのが5年生の秋ごろであることもあって、それまでは何の対策もしてきませんでした。
受験をしないことになったとしても、頑張ってきたことは後々大きな財産になりますから、無駄なことなんて一つもありません。
是非毎日の生活の中で親の私たちに出来ることは何かを考え続け、子供とともに歩んでいってほしいなと思っています。
塾なしで合格する道を探ってみる~普段の勉強編~
公立中高一貫校を受験する場合、適性検査(入試)で出題される問題は、教科書で習った範囲を出ることはありません。
簡単に言うと、「学校で習ったことが適性検査(入試)で出題される」ということです。
過去の適性検査の問題を見ると分かりますが、教科書を隅から隅まで読み込んでいれば出来る問題ばかりで、それ以上の問題が出ていないことが分かります。
このことから、学校の勉強をとにかくしっかりやり、身につけることが公立中高一貫校に合格するための近道と言えます。
なので、受験を決めた時、また決める以前からやるべきことは、
- 学校の宿題をしっかりやること
- 学校で習った学習を丁寧に身につけること
になります。
毎日の宿題は欠かさずしっかりと出来ているか?
提出するものだけでなく、音読、自主学習も毎日できているか?
という毎日の積み重ねがとても大切!
合格する近道になります。
低学年のうちから学校の勉強とともに家庭学習も丁寧にやり、基礎学力をしっかりと身につけておくことは重要です。
私立受験と公立受験は違うとはいえ、基礎学力を伸ばしておくことはどちらも共通事項ですよね。
余談ですが、合格して中学校に入学した後も、宿題・予習・復習をしなければならないので、小学校の頃から習慣として身につけておくことをおすすめします。
塾に入れるときに最も懸念されることは、親子共々が「塾に入れておけばとりあえず安心」と考えてしまうことです。
私たちも実際一年だけ塾に通わせましたが、塾はあくまで補助であり、塾をメインに考えないほうが安全です。
塾に入れたからすぐ勉強ができるようになるか?というとそれは間違いですので、塾に入れるにしても入れないにしても、低学年のうちから毎日家でコツコツ積み重ねておきましょう。
塾なしで合格する道を探ってみる~記述式問題への対策は?~
公立中高一貫校の適性検査では、記述型、思考型の問題が出題されるので、自分の考えをまとめる・書く・述べる・発表するということに慣れておく必要があります。
まずは読むことに慣れるために、本や新聞を読む習慣を身につけると良いです。
塾なしで合格した同級生の話を聞くと、とにかく本を読み、その本についてお友達や親と話をしたりするそうです。
本や新聞で興味を持ったものについて親子で話し合ってみたり、お互いおすすめの本を教えあったりし、また考えをまとめて書く練習をしておくと、考えをまとめるスピードもテクニックも上がります。
読んだ文章をまとめて、自分の言葉で書くという能力は、やり始めたからすぐに身につく力ではありません。
低学年から意識して進め、身につけていきたい力でもあります。
地方の公立中高一貫校を受験した我が家の娘は、一年通った対策塾で、「とにかく問題を読むスピードを付けることを意識してください」と言われたことがあります。
読まされる問題量が多く、「何も対策をしておかないと、最後まで解けないことがあるから」ということでした。
問題を読み、抜き出す点を見つけ、自分の意見をまとめ、書くまたは発表するという訓練を特に意識して、普段の学習の時点から養っておくことをおすすめします。
6年生になったら過去問の問題集を購入して何度も解いたり、塾などで開催されている模擬試験を受けて、力試ししてみるもの練習になりますし、記述型、思考型の問題に慣れるためにもぜひやってほしいことの一つです。
受験対策で塾に通うならいつからがベスト?
「何年生から通わせるのか?」についても、住んでいる地域でも違ってくると言えます。
例えば、私の住んでいる関東地方の田舎と東京都心では、公立中高一貫校の倍率も2~3倍の差があります。
我が家の上の子が公立中高一貫校を受験したときの倍率は3倍程度でしたが、東京都心では6倍~7倍で、学校によってはもっと高くなります。
今回は、公立中高一貫校の場合、塾にはいつぐらいから入れたらいいのかということについて、我が家の体験も交えながら紹介していきたいと思います。
公立中高一貫校 受験対策としての、塾の考え方
公立中高一貫の入試は適性試験と呼ばれるものです。
記述式中心の筆記試験の他に集団面接が実施されることが多く、
- 志望動機
- 将来の夢
- 試験官の提起した問題について自分の意見を挙手して述べる
など、ハキハキ話せているか・積極的であるか・受け答えはどうか?や、個性や資質も合格の判断材料となります。
このことからも、勉強ができるだけでは合格は難しいことが分かります。
筆記試験は自分の意見を述べるような記述式が多く取り入れられ、問題を解くだけでは答えまでたどり着けません。
我が家の家がある関東地方の田舎の方では、公立中高一貫校の受験対策コースは5年生からがほとんどで、それ以前は私立対策塾かジュニアコースなどと呼ばれる低学年向けの強化塾となります。
塾の先生にお話を聞く機会があり、「実際どのくらいから通わせるのが適当ですか?」と伺ってみました。
「記述、思考型の考え方を育てるには時間がかかるので、早いに越したことはないです。大体5年生から通わせるお宅が多いです。」との回答でした。
私の個人的な意見も、先生とおおかた同じです。
早すぎてもモチベーションが続かないし、続かせるための努力が辛いものです・・・。
5,6年生で自分の意志が明確となり、「受験したい」と言い始めた時で十分なのではないか、と私も思います。
なので、高学年になるまでは、
- 家庭学習を丁寧にこなす
- 本や新聞を読み考えをまとめる習慣をつける
- 興味あるものに徹底的にかかわる
など、中学受験するにあたっての下地作りの時間を大切にしていくことが重要です。
中学受験は子供だけで乗り越えるのは難しいことで、親も一緒に歩む受験であるのですが、やはり一番大切なことは、受験する本人がどれだけやる気があるかにかかっています。
5,6年生になるまでは下地作りを丁寧にすすめ、自分の意志がはっきりしてきた頃に受験について話し合い、受験の意志がハッキリした場合には塾を考えるという流れで遅くないと考えています。
低学年の時期から受験を考えている場合には、沢山時間がありますから、本を読む習慣、家庭学習の習慣を身につけ、沢山の経験を積み、知識を多く身につけられるようにし、近隣でオープンスクールや学園祭があれば、連れて行ってあげるとより目標がはっきりしますね。
それから塾を考えても遅くはありませんし、塾なしでも合格することは実際に可能です。
塾ではどんなことを学ぶのか?
塾を考えている場合、「もし塾に入れたらどんなことを中心に学ぶの?」と気になると思います。
公立中高一貫校の適性試験では、自分の考えを述べる問題が多いと言いましたが、塾でもそのような部分を強化した問題を演習することになります。
いわゆる「記述型」「思考型」などと呼ばれる「深く考え述べる」問題です。
実際に試験に出るのは、問題の数をこなして学習量を上げるだけの学習の仕方では乗り越えられない問題ばかり。
学習量の増やすだけでは、記述、思考の力を育てるのは難しいです。
この記述、思考型の考えを養うにはとても時間がかかりますし、塾に入れたから解決するかというと、そうではないことも多く、低学年の頃から丁寧に意識して育てていく必要があります。
記述型、思考型の考え方、学習は家でも十分にできますが、「限界だな」と感じた時、そこで塾に入れることを初めて考えるかもしれません。
塾に入れることで、記述式の問題に慣れることの他に、相談・質問する先生がいること、同じ目標に向かう仲間と出会うことなどで親子共々頑張る糧を得ることができ、受験勉強の励みにもなります。
塾で学ぶことは、記述・思考型の問題の演習が中心となりますので、それまでに家で作文を書く練習、自分の考えをまとめ、述べる訓練、沢山の知識を付けるような体験をたくさん積んでおくと、塾にすんなり入っていくことができるのではないでしょうか。
我が家は塾に一年だけ通わせましたが、受験に向かって共に頑張る仲間を得、悩みに親身になって答えてくれる先生に励まされて受験に挑むことができ、とても心強かったです。
学力や思考力を伸ばすことが塾に入れる目的ですが、仲間を得られること、いつも見守ってくれる先生に出会えることもとても大きな利点であり、お勧めできる一つのポイントでもあります。
塾選びは家庭の状況に合わせて!
塾選びは、家庭の状況や教育方針、志望校に合わせて選ぶほかなく、これという正解は無いように思います。
実際、我が家の娘の通う公立中高一貫校では、塾なしで合格している子が本当に沢山いらっしゃいますので、塾なしで家庭学習で受験に挑む選択もあります。
我が家の娘は、積極的には程遠い、引っ込み思案でおとなしい子で、受験させても良いものか、試験を突破できるのか不安だったものですが、共に頑張る仲間を得、いつも見守ってくれる先生に出会うことができ、1年間だけでしたが塾に入れて本当によかったと思っています。
皆さんも受験を考えるときには、自分たちの環境に合わせた塾選びで、良い塾と巡り合うことができるといいですね。
公立中高一貫校を選ぶメリット、デメリットとは?
そもそも、中高一貫校と一言で言ってもいろいろな種類があります。
まずは国立、公立、私立とあり、途中編入の制度がある学校、無い学校、その他にも男女別学のところ、男女共学のところなど本当に様々です。
中高一貫校は、平成24年現在のデータを見ると、国公私立合計で441校あり、現在も増加する傾向にあります。
ここではは、公立中高一貫校を進学先として選ぶ場合のメリットとデメリットについて、公立の中高一貫校の場合について、我が家の体験も交えながら紹介していきたいと思います。
公立中高一貫校に進学することのメリット
我が家の上の子は、関東地方のとある田舎にある公立中高一貫校の学生です。
中高一貫校を受験させると決めた時、実にいろいろなことで悩み、調べ、家族で話し合いました。
実際に学校に行って学校の雰囲気に触れましたが、最終的に受験の決め手になったのは、本人が行きたがったということが一番で、実は親はどちらかというと、受験に対しては消極的でした。
そこでまずは、実際に通ってみて感じたメリットについて、迷っている方に向けてまとめてみました。
6年間の長いスパンで物事の継続が可能である
一つ目は、「6年間の長いスパンで物事の継続が可能である」という点です。
高校受験がないことで、同じ環境でより長く、より深く物事に打ち込むことができる為、ゆとりのある学校生活の中、勉強にもあるいは部活動にも打ち込むことができます。
例えば部活動ですが、中学校3年生で引退する必要がない為、継続して取り組むことができ、練習にも余裕を持つことができます。
我が子は吹奏楽部に所属していますが、中学校3年生で引退する必要がないこと、高校3年生まで所属していることで、先輩が後輩を指導できることもあり、5つの年の差のある子供たちが非常に和気あいあいと活動することができています。
良いお手本である先輩を身近に見ることができ、本来であれば中学校1年生では学校内で関わる機会のない5つ年上の高校3年生と普段からかかわる機会が持てます。
安定した環境の中で6年間を過ごすことができることは大きなメリットとなります。
同レベルの子供同士で切磋琢磨する環境に身を置ける
次に感じているメリットとしては、「学力の近い生徒が集まっているので、互いに切磋琢磨する環境ができやすく、刺激を受けあい、高めあう環境になりうる」という点です。
同じぐらいの学力の学生が集まっているとはいえ、とても勉強ができる、突き抜けて成績が良いグループの子供もいます。
いわゆる「すごく勉強ができる子」から刺激を受ける環境があり、また先生方も沢山の知識と刺激を与えてくださいますので、勉強のレベルが上がりやすいです。
授業時間内で発展的な内容の学習ができる
次にメリットと感じている点は、「勉強が進むスピードが速く、発展的な内容の学習に時間がさける」という点です。
6年間を一つのまとまりと考え教育が進められますので、勉強がどんどん進んで行きます。
中学校3年生の時点で受験がないので、高校受験に勉強時間を割く必要がなく、中学校のうちから高校の学習範囲に入っていきます。
いわゆる「先取り教育」が可能というわけです。
例えば我が子の学校でもそうですが、中学校3年生の時点で数学などは高校1年生の学習範囲に入ります。
また、高校2年生修了の時点で高校3年生の学習範囲が終了するようになっており、その後は受験勉強の対策や演習、より発展的な内容の学習に時間を割くことが可能となっています。
公立中高一貫校に進学することのデメリット
メリットについては前に述べた通りで、まだまだ沢山あるのですが、次は逆にデメリットはあるのかと考えていきたいと思います。
デメリットはメリットの裏返しが多いです。
- 6年間環境が変わらないので、友達付き合いが上手くいかない、環境になじめないときに苦しい
- 高校受験などの節目がなく、中だるみ状態になりやすい
- 勉強のスピードが速くレベルが高いので、一度ついていけなくなったり、つまづいたりすると勉強嫌いになる可能性がある。
- また勉強についていけなくなり落ちこぼれる可能性がある
- 生徒の出入りがない為、人脈が限られる
- 地元の中学校の友達と疎遠になりやすい
などが挙げられます。
地元のお友達とは活動時間が全く違ってしまい、遊ぶことどころか顔を合わせることもままならなくなり、いつの間にか疎遠になってしまうということは多々あります。
我が子の学年は、今まさに中だるみの雰囲気で、先生方も色々な手や対策を講じて下さっていますが、やはり入学当初の緊張感はなくなり、いい意味でも悪い意味でも学校生活に慣れてきているなと感じます。
そして、やはり勉強嫌いである子供は中高一貫校は厳しいです・・・!
学校選びに大切なことは、子供のやる気
公立中高一貫校について、メリットとデメリットについて考えてきました。
メリットもある反面、確かにデメリットも存在していて、我が子には公立中高一貫校があっているのか、それとも公立中学校に進学して高校に進学するほうが向いているのか、受験を考える前に一度吟味する必要があります。
親として出来ることは沢山ありますが、受験を考えた時、やはり一番大切なことは本人のやる気であることは間違いありません。
やはりどんな場合でも、どこの学校に通うのか決めるのは子供自身であるということです。
実際に学校に数年間通い過ごすのは子供自身なので、親の私たちができることは、子供が進学先を考え迷ったとき、適切に、的確に助言し、一緒に考えることです。
子供たちが楽しい学校生活を送るために、適切な助言ができるよう、親の私たちも子供たちに負けないようにいろいろ勉強していかなくてはなりませんね。
公立中高一貫校の偏差値以外の選び方
「中高一貫校を受験しよう!」と決めた時、勉強方法や塾選びも大事ですが、志望校を決めなくてはいけませんね。
私の住む県では、公立中高一貫校は同日に受験日が設けられています。
そのため、公立中高一貫校の併願をすることはできませんが、中には私立中高一貫校を併願する子も見られます。
我が家の上の子供が中学受験をしたいと言い出した時、親は面食らって、慌て、情報がなかったので悩み、沢山話し合ったことが思い出されます。
あの時もっと情報があったらどうだったか、受験は本当にこの子のためになったのか悩んだものです。
公立中高一貫校への受験を考えた時、偏差値以外ではどのような選択肢があって、どのように考えていけばより良いのかについて、我が家が経験したことも交えながら紹介していきたいと思います。
子供が将来どのように成長したいのか、親子で明確にする
我が家の周辺では中学校に進学するとき、考えられる進路として、
- 県立中等教育学校
- 私立中等教育学校
- 私立中学校
- 市立中学校
があり、子供たちはほぼ「市立中学校」への進学を選びます。
高校受験のタイミングで将来の進路を大体決めてから受験する感じになるわけですが、公立中高一貫校の場合、高校受験がありませんので、将来どのように成長してほしいか、どのような進路に進みたがっているのかというのは、中学受験のタイミングである程度明確にしておく必要があります。
なぜかというと、目指している学校の教育理念や校風が、家の教育方針と大きく違っていると、入学してから子供も親も苦しくなるからです。
家の教育方針と学校の理念が大きく違うと、6年間という長い学校生活の中で、親子共に学校への不満がたまりやすくなり、学校生活や勉強に熱心に取り組むことができません。
親子で話し合って、「将来こんな風になりたいから、受験をして、こんな風に勉強して、将来はこんな大学に進んで、夢の職業に就きたい」というおぼろげなビジョンでいいので決めておくと良いです。
まだそんなに具体的には思いつかないというときは、好きな分野を生かした職業についてみたい、〇〇さんのような大人になりたいでも良いです。
入学した後、夢に向かって頑張る、やりたいことのためにもこんなことを勉強していくといったように前向きな姿勢で学校生活を送ることは、「受験の合格がゴールでない」以上とても大切なことです。
6年間という学校生活の中で、親子で「どうなりたいか」を受験前に決めておくことは重要です。
志望校の見学に行ってみる。
受験する学校が決まったら、是非オープンスクールや文化祭などに出向いて、学校の雰囲気に触れてみてください。
我が家の娘は、5年生の時オープンスクールに参加して先輩方の授業を見学したときに、「とても楽しそう、私もやってみたい」と言い、それを聞いて親も腹をくくって中学受験をサポートすることをきめたほどで、その後の娘は目標が明確になり、勉強する態度が明らかに変化しました。
6年間という長い間、その学校で過ごす子供が、この学校に通っている自分が想像できるかどうかというのはとても大切なことですし、親の私たちも、どんなところに力を入れて教育しているのか、校風はどうなのかという判断をすることができます。
また、自分の子供にこの学校が向いているのか、向いていないのかを判断できる重要な機会でもあります。
例えば、校風が自由であるとき、確かに自由な校風はとてものびのびして見えますが、自分で自分を律することができる子供でないとたちまち落ち着きのない雰囲気となりますし、自由というのは自分で考え、判断し、行動する力が必要です。
また、自由な校風は、自分の行動に責任が伴うだけでなく、授業や家庭学習にも主体性を求められる可能性があります。
自分で計画をたて、勉強する力、自分の考えをまとめ、みんなの前で発表する力などが求められますので、自分の子供がそのような環境に置かれても大丈夫かという判断をしなくてはいけません。
入学はしたものの雰囲気になじめなくて、学校生活が苦しくなってしまっては、せっかくの頑張りがもったいないです。
様々な視点、観点から受験を検討することは、とても大切なことであると言えます。
中学受験をするか、高校受験をするか考える
中学受験をする場合、どうしても遊ぶ時間を削って勉強にあてなくてはならず、遊びたい盛りの子供に我慢をさせることも多々あります。
友達が放課後遊んでいる時間を塾に当てなくてはいなかったり、家で勉強しなくてはいけなかったりします。
このような生活が大きなストレスとなる場合や、それによって受験へのモチベーションが下がって勉強をしたがらない場合は、受験そのものを見直さなくてはいけないかもしれません。
ここで中学受験と高校受験の良いところを考えてみます。
中学受験は、高校受験がないことで多感な思春期をのびのびと過ごすことができることや物事を長いスパンで考えられるので余裕があることです。
一方、高校受験の良いところは、小学校の時代には子供らしく伸び伸びと遊べることや、中学校3年生になり、自分で物事を判断できるようになっているため、進路について具体的に考えやすいなどが挙げられます。
自分の子供にはどちらのほうが向いているのか、親がしっかり判断して行きたいものですね。
偏差値以外の視点がむしろ大切かもしれない。
今回は、公立中高一貫校の偏差値以外の選び方についてでした。
合格だけを目指すなら、願書を出すころに志望校の受験対策すればいいという話もあるぐらいですが、偏差値以外の選び方となると、多岐にわたっていて、親も子も、いろいろなことを考えなくてはなりません。
我が家の上の娘は今、中等教育学校4年次生(高校1年生)ですが、今の学校に入ってとても良かったと言っています。
オープンスクールで見た「楽しそうな授業」に四苦八苦しながらも、充実した生活を送っており、親としても、中学受験をしてよかったなと思っています。
折角受験をするのなら、その後6年間を有意義に過ごせるようにしていきたいものですね。
公立中高一貫校の学費など費用はどれくらい?
「公立中高一貫校を目指そう!」となった時に、もう一つ気になるのはお金の話ですよね。
塾もそうですが、進学したときかかるお金というのは、入学金、教材費、諸経費などがありますが、ある程度まとまったお金がかかりますので、一体どのくらいかかるのかというのは気になるところだと思います。
制服やカバンって、とても高いんですよね。
3年間または6年間着るものなので良い素材で作られているからでしょうが、お子さんによっては成長期にあたるということもあり、何度も何度も買い換えないといけないという話を聞きました。
我が家の上の子は、あまり身長も体重も急激に増えなかったことと、私が欲張って大きめの制服を買ったこともあり、小物を買い替える程度で済んでいますが、今の制服はある程度成長を見込んで作られているようで、数センチなら糸を切ればすぐ丈や袖が伸ばせるようになっていて感心しました。
ここでは、進学等でかかるお金の話、授業料などについて調べてきましたので紹介したいと思います。
公立中高一貫校の学校生活でかかるお金はどのくらい?
進学にあたって一番気になるのは学費ですね。
公立中高一貫校の場合、前期部分(中学校1~3年生に相当する部分)でかかる学費は公立中と大体同じで、後期部分(高校1~3年生に相当する部分)では公立高校と同じぐらいとなります。
授業料は「無料」です。
公立中学校や公立中高一貫校前期課程の場合は、義務教育に当たりますで、授業料は無料になり、公立高校や公立中高一貫校後期課程の場合は、平成26年に入学した生徒から適用された「高等学校等就学支援金制度」という制度の為、条件によっては授業料が無料になります。
でも、学費をこれ以上かけずに通学できるかというと厳密には少し違って、授業料以外の諸費用を収める必要があります。
例を挙げると、
- 修学旅行や遠足の費用
- 学級費
- 生徒会費
- PTA会費
- 教科書購入費
- 教材費
- 給食費
などが挙げられます。
中学校や公立中高一貫校前期課程の場合は大体年間15万円前後、公立高校や公立中高一貫校後期課程の場合は25万円前後になると言われています。
実際に比べてみると、公立中学、高校と変わらない学費で通学させることができると分かります。
我が家は進学した公立中高一貫校は自宅から近いので通学費がかかっていませんが、バスや電車などで通学の場合は、通学のための費用も追加でかかります。
高等学校等就学支援金制度とは?
前項の話でも出てきた「高等学校等就学支援金制度」ですが、これは平成26年から実施された制度で、保護者の市町村民税所得割額または、市町村民所得割額の合算額(父母共に収入がある場合)によって支給されるかされないか判断される制度です。
簡単に言うと、役所で市町村民税の税額通知書か市町村民税の税額決定通知書、納税通知書などを発行してもらい、その書類内にある、市民税所得割額、町民税所得割額などと書かれた欄があり、そこに書かれた金額によって支援金が支給されるかどうかが決まるという制度です。
我が家も通知を受け取ったときは、「難しい!分からない!」と混乱しましたが、市役所の職員さんは良く知っていて、学校から配布された書類を持って行ったところ、見ただけで申請すべき書類を教えてくれました。
学校の事務局の方も良く相談に乗ってくださいましたので、つまずいたらまず相談すると良いですよ。
また、支援金は「直接学校に収められます」ので、実際に我々が収めるお金は差額と諸経費になり、公立学校の場合は授業料と支給額は同じなので、支払うお金は諸経費となります。
申請書は年一回の提出になりますが、高校一年生に当たる年の方は入学の時と、7月ごろの2回提出、2年生3年生は年一回7月ごろの提出になっていて、申請のし忘れがあると支給してもらえませんので、忘れないようにしておきましょう。
また支援金が支給される学校については、
- 国公私立の高等学校(全日制、定時制、通信制)
- 中等教育学校後期課程
- 特別支援学校の高等部
- 高等専門学校(1~3年生)
- 専修学校(高等課程)
- 専修学校の一般過程や各種学校のうち、国家資格者養成課程に指定されている学校
- 各種学校のうち一定の要件を満たす外国人学校(告示で指定)
とあり、実に幅広い学校で適用されることがわかります。
国から授業料を支援していただけるなんて、本当にありがたい制度だと思います。
他にも奨学金の制度や、家計急変への支援、学びなおしの支援など、学びをサポートしてくれる支援制度は沢山あって、県や市で独自に行っているものもあります。
個人的には、このよう良い支援制度は、学びたいみんながしっかり把握できるように周知してほしいなと思いますが、今は自分から情報を取りにいかないと分からない制度も沢山あることが今回の記事をまとめていて分かりました。
この高等学校等就学支援金は、高校生が安心して勉学に打ち込める社会を作るためにと国が創設した制度で、本当にありがたい制度だなと思います。
まとめ
以上、塾なしで公立中高一貫校を合格できるのか?など、を考えてまとめてみました。
塾なしで合格は不可能ではありませんが、低学年の頃から丁寧に学習し、力を蓄え、常に受験を意識して勉強する必要があり、とても大変で手間のかかることではあります。
塾に入れたら対策は手っ取り早いことかもしれませんが、塾なしで合格する道も必ずあります。
ただし、塾なしで合格するために低学年の頃から意識して力をつけ、高学年になったら、過去問を解いたり、問題集を解いたり、模擬試験を受けに行ったりしながら情報を確保し、本番に備え、親子が共に努力していく必要があります。
でもこれは塾なしでも塾ありでも同じ事かもしれません・・・。
塾に入れたからと言って、親のやることがないかといったらそうではないし、家でもしっかりフォローしなければなりませんからね。
親子で受験に挑戦するには、親が教師となり、マネージャーとなり、細かく丁寧に接して勉強を教え、フォローしていかなければならないので、とても大変なことではあります。
しかし、塾なしで合格したという人たちがいるわけですから、不可能ではありません。
大変で手間のかかることかもしれませんが「可能」です。
塾なしの道を選んでも、入塾の道を選んでも、我が子が希望の学校に合格できるように、親も子供と一緒に全力で取り組んでいきたいですね。