国語の読解力とは、文章を読み、内容を理解する力で、国語以外でもすべての分野でとても大切な力となるものです。
特に大事な力は、以下の2つです。
- 文章を正しく読み理解する力
- 文章の意味や情報を正しく理解する能力
この正しく読み解く力がないと、国語はもちろんのこと、算数の文章問題の意味がわからずに解けないことになってしまいます。
読解力は国語だけでなく、算数、理科、社会すべての学習で必要な力で、意識して身につけていきたい力です。
国立情報学研究所の調査によると、文章の基本的な構造を理解できていない中高生が多くいることが分かり、今国語読解力が見直されてきています。
それでは、いったいどうやって読解力をつけていけばよいのでしょうか?
今回は、小学校一年生の国語読解力をつける方法についてご紹介します。
一年生の国語読解力をつける方法
01.文章を音読する
日本の子供たちの読解力が低下しているのは、先ほどの調査からもわかりましたが、読解力とはそんなに大切なのか、疑問に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私たち日本人は、日本語を使う民族ですので、日本語、特に学習領域の国語は、普段の生活でも使い慣れてるし、大人になればだれでも習得できると思いがちです。
読解力をつけるために、まずは、音読を試してみてください。
黙読だけではなく、音読も取り入れることで、文章に書いてあることのイメージがつかみやすくなります。
例えば、音読をしながら、登場人物の会話が誰の言葉なのかを考えます。
所有している本でしたら、鉛筆で会話の主を四角で囲み、矢印でその会話まで線を引きます。
こうすると、文章をぼんやり見ているよりも、更にイメージがつかみやすくなります。
国語のテストによくある、「これは誰が言ったのでしょうか?」という設問の練習にもなるので、持ち帰ったテストでもやってみるといいですね。
その持ち帰ったテスト問題も、どこが間違えていたか、どの部分が理解できないのかを確認する習慣をつけましょう。
我が家の下の娘は小学校二年生ですが、毎日音読の宿題が出ています。
音読は、文章をただ読んでいるように見えますが、実はとても高度で難しいことです。
音読がしっかりできる為には、
- まず文字が読めていること
- 漢字が読めていること
- 文章の塊として読めていること
- 意味のまとまりを理解していること
など、ざっと思いつくだけでもこれだけの能力が必要になります。
黙読だと、なんとなく読めている程度でも、文章の流れから内容を大体予想して読み進められるので、内容をしっかり理解しているかというと疑問が残ります。
でもこれが音読だと、分からない部分がはっきりとわかりますので、分からない漢字などはその場で調べて理解することもできます。
まずは短い文章から始めてみましょう。
文字をただ読み進めるだけではなく、正しい言葉使いで、頭の中で読んでいる文章の場面を思い描きながら、点や丸、場面の切り替わりを意識しながら読めるようになりましょう。
毎日たった数分ですが、音読を続けることによって、日本語の正しい使い方、集中力、持続力、想像力、文章の塊、意味を理解する力、漢字がしっかりと身につき、ほかの教科でも応用することができるようになります。
02.読書量を増やそう
読解力をつけるために、また国語好きにするためには沢山読書をさせましょうと言われますね。
子供の読解力をつける方法として一番効果的な方法の一つは、やはり読書量を増やすことです。
たくさんの文章にふれることで、文章を読み解く力がつき、おまけに語彙力をつけることもできます。
ただ、強制すると本が嫌いになってしまうので、少しずつ読む量が増えていくように親が働きかける工夫も大事です。
「今は全く本を読まない」という状況なら、子供が興味を持ったジャンルのページ数が少ない本から始めてみて下さい。
子供が選んだ本のジャンルがこちらの期待したものではなくても、ここは子供の好きなものを選んでもらいましょう。
まずは読む習慣をつけてもらいたいので、ぐっとガマンして、口出しはしないようにします。
新聞のコラム欄を読むのも文章量が多くないので、抵抗がないお子さんにはおススメです!
上の子は高校生ですが、毎朝学校で読書の時間が設けられています。
下の小学校二年生は、朝の時間帯に週に数回読書の時間が設けられています。
読んだ本を書き込んでおく用紙があり、それを年度末にまとめて、一定量読んだ子供は表彰されるシステムがあるのです。
いかに学校が読書に力を入れているかわかりますね。
しかし、本を読まない子は、親が買ってこようが、勧めようが読みませんし、小さいころから読み聞かせをしてきたにもかかわらず、本好きにならなかったという話はたくさん聞きます。
本好きになるかならないかは、子供の性格や趣向に左右される部分が大きいことが分かりますが、本を読むことは人生を豊かにしますし、知識を豊富にしますので、出来る限り沢山の書物に触れさせてあげたいもの。
何が何でも本好きにする!ということではなく、まず本に触れる機会を増やしましょう。
好きな本を好きなだけ買ってあげられたら理想ですが、そうもいきませんので、我が家は図書館に行って沢山の本に触れるようにしています。
読書というと難しいもの、字が多いものを選びたくなりますが、まずは難しくないもの、簡単なものから始めてみてください。
今のレベルから少し戻って、簡単なもの、文章に応じた場面の絵が描いてあるもの、漫画、絵本でもOKですので、まずは本に触れる機会を沢山持って、読む行為が楽しいと思えるようにしてください。
親も一緒に読書するものいいですね。
03.接続詞の使い方に注意しよう
例えば、「なぜ」で始まる問いの文の答えはどこなのかを探してみましょう。
「なぜ恵美さんは、一人だとつまらないと思ったのでしょうか」という問いの場合は、本文の”一人だとつまらない”を探します。
その”一人だとつまらない”と思った部分より前の文章にあるのか、後ろの文章なのかを考えます。
これもよくテストで出る設問なので、答えを探す練習になります。
他には、
- 前の文章の意味と逆になる「しかし」
- 前の文章の説明になる「なぜなら」
- 前の文章と状況が変わる「ところが」
など、接続詞の意味にとまどうことが多いようです。
接続詞と前後の文章の関係について考えてみることが大切です。
この場合も鉛筆で線を引いて、どの文章につながるかを考えてみましょう。
接続詞の意味が分かるようになると、文章の理解もしやすくなると思います。
04.あらすじをまとめて、説明してみよう
誰かに説明してみるのもよいですし、読書メモとして書いてみるのもいいと思います。
まとめる力がつくと、読解力もついてくるからです。
例えば、子供が本を読み終えた後で、物語の場合は登場人物がどうなったかの説明と、順番通りの話の流れになっているかを注意しながら、あらすじを教えてもらうのもいいですね。
05.文章の全体の構成をつかむ
文章を読むときに、5W1Hに注意するように気を付けて、文章を読むように工夫しましょう。
- すなわち
- だれが
- いつ
- どこで
- 何をしたか
説明文などの場合は、その文のキーワードは何になるのかを考えながら、流れを追います。
そして、そのキーワードが結果としてどうなったか、結論をつかむようにしましょう。
文章の構成が分かると、文章問題の解答がどの部分に存在するのかが、わかりやすくなります。
06.自分の考えを表現できるようになろう
考えを自分の言葉で表現することは、考えたことを順序立てて説明する訓練になります。
読解力は、
- 文章の塊を理解する力
- 文章の意味を理解する力
も含まれますので、自分で文章を組み立てて話すという行為は、この理解を深める大切な手段となります。
例えば、食事の時間などに、「今日どんな出来事があったか」を話す機会を作り
- 「誰が」
- 「どこで」
- 「何をして」
- 「どうだった」
- 「自分はどう思った」
をまずは親である自分が意識して話すようにし、子供にはこのいわゆる「5W1H」を意識して質問するようにします。
日々の出来事を知ることができる上、文章を作る訓練にもなり、家族団らんにもなるのでいいことづくめです。
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一年生の国語の読解力をつける方法まとめ
「国語の読解力」というと、意味が大きすぎて
- いったい何を指しているのか?
- 何をやればいいのか?
と戸惑うこともありますが、理解を深めるためにやることは、実はとても小さい事の積み重ねなんです。
高学年にもなれば、ますますテストの長文問題が増えてきます。
中学生に上がって受験勉強に入れば、読むスピードを上げて素早い解答も求められるようになってきます。
日々読書をしている子と、そうでない読書嫌いの子では読解力の差が大きくなっていくでしょう。
これから「受験に出てくる」「文章を要約する」などの問題にも対応できるように、以上の方法を低学年のうちから取り組んでいきたいですね。
少し意識すれば、毎日少しずつ実践できることばかりです!
この小さな積み重ねを大切に、我が子には国語読解力をつけていってほしいと願っています。